平成9年1・外国人の地方公務員就任権
【憲法】 平成9年・第1問
 地方公共団体が、職員の採用について、日本国籍を有することを受験資格の1つとした場合の憲法上の問題点について論ぜよ。
 また、日本国籍を有することを管理職登用試験の資格の1つとした場合についても論ぜよ。


=構成=

1・前段について
 1) 問題提起 本文では、国籍が条件 →外国人に地方公務員になる権利を保障されるとすれば、違憲になるとも思われる。
 2) 【外国人の人権享有主体性】
 3) 【外国人の公務就任権】 
 4) 【二重の基準】
 5) あてはめ:一般的な制約は、国民主権を害さないという目的は正当。しかしその手段は、(個別具体的に考慮するべきで、一律に国籍を条件とすることは)目的達成に必要な限度を越えており違憲。

2・後段について
 1) 管理職登用試験の場合 =権力的権能を有する可能性が高いので一般職と比較した場合には、比較的、制約の必要性が高いとは言える。
 2) しかし、管理職すなわち権力的影響力を持つ、と一般的に言える訳ではなく、制約が合憲であるためには職種により個別に実質的な判断が必要。
 3) よって、一律に国籍条項をもうけることは違憲(の疑いがある)。


(2006/5/16)