【誤想防衛・誤想過剰防衛】
【誤想防衛・誤想過剰防衛】

 「急迫不正の侵害」がないにもかかわらず、または、「やむを得ずした行為」とは言えないにもかかわらず、そう誤信して対抗行為に及んだ場合を誤想防衛という。この場合、正当防衛行為の認識・予見しかないので、故意は阻却され、過失犯規定があれば過失犯が成立する。


 客観的には「急迫不正の侵害」に対する過剰防衛がなされたが、過剰の認識はない場合、誤想防衛となる。
 しかし、過剰を認識して対抗した場合には、故意の過剰防衛である。この場合、過剰行為の認識・予見は構成要件に該当し、また、急迫不正の侵害が存在しないことから、違法性も阻却されない。よって、この場合には故意犯が成立する(誤想過剰防衛)。

(2006/05/30)