【着手未遂と実行未遂】 区別否定説!(号泣)
【着手未遂と実行未遂】 区別否定説


 2、 【危険の態様とその消滅】

 未遂を「実行行為」の終了の有無により、着手未遂(未終了未遂)と、実行未遂(終了未遂)とに分類し、前者における中止は、実行の不作為で足り、後者における中止は、結果発生を阻止する具体的作為を必要とする、という見解がある。
 しかし、現行法上、そのような区別は存在せず、「実行行為の終了時期」を基準に中止要件を異なって解することは妥当ではない。
 中止というためには「既遂に至る具体的危険の消滅」が必要であることから、行為者から独立して具体的危険が生じている場合には、作為により危険を消滅させる必要があり、逆に、法益侵害行為の遂行により既遂の危険が生じている場合には、行為遂行を中止すれば、危険が消滅する、ということにすぎない。

(2006/05/30)