【共犯と錯誤(共犯の過剰)】
【共犯と錯誤(共犯の過剰)】

 共犯(共同者)が認識・予見した事実と、正犯(他の共同者)が実現した構成要件該当事実とが異なる場合、いかなる犯罪が錯誤に陥っている共犯者に成立するか。
 この場合共犯者の故意を認めるためには、単独犯の事実の錯誤と同じ基準で判断することが妥当だと思われる。

 そこで、争いあるも、行為者が認識した事実と、発生した事実とが「構成要件の枠内において」重なり合う限度で故意を認める法定符合説によるべきと考えるが、構成要件該当事実は構成要件要素のレベルで抽象的に捉えるとしても、侵害を受ける法益主体については具体的に符合することを要求すべきである。(具体的法定符合説)