法学座敷牢 別名 ろおやぁ

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1-2-02 結果的加重犯の共同正犯
共犯の問題

論証 

(前振りとして:結果的加重犯は、故意犯と過失犯の複合形態であるから、過失犯の共同正犯を肯定できるならば、当然、結果的加重犯の共同正犯も肯定しうる。では、過失による共同正犯は認めうるか。)
1 共同正犯における「一部行為の全部責任」を基礎づける構成要件該当事実に対する因果性は物理的因果性と心理的因果性がある。物理的因果性は故意の有無とは無関係であり、心理的因果性は故意の共同がなくても、構成要件該当事実の実行における意思の連絡などで肯定できる。その結果、構成要件該当事実の過失による共同惹起を肯定できる。

2 具体的には(1)作為犯の場合、全共同者の因果性と自己の過失の及ぶ範囲において、過失犯の共同正犯が認められる。ただし、過失による教唆・幇助は不可罰であるから、構成要件該当事実の過失による共同惹起といえるだけの因果的関与性により正犯性が認められる必要がある。  また、(2)不真正不作為犯の場合は(1)の要件に加えて、保障人的地位に基づく作為義務の存在が要件となる。具体的には共同者全体の中での排他的支配の存在、共同者間における相互配慮義務の存在が要件となる。

検討

結果的加重犯は、故意犯と過失犯の複合形態。
過失犯の共同正犯を肯定できるならば、当然、結果的加重犯の共同正犯も肯定しうる。
《論点:過失犯の共同正犯》

関連条文

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この論証を使用する過去問

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参考文献

山口『刑法総論』p71-
山口『問題探求刑法総論』p272 過失犯の共同正犯につき


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