法学座敷牢 別名 ろおやぁ
1-4-01 択一的競合(山口:条件関係否定説) C
現実的にはほとんどありえないので、正直さして重要ではない論点。
(択一的競合事由)この場合には、AとBの行為をそれぞれ取り去っても、他方の行為により結果が生じたのであるから、それぞれの行為と結果との間の条件関係は否定される。
行為がなくとも結果が依然として発生していたであろう場合には、当該結果は回避不可能だったのであり、将来の法益侵害の抑止という刑罰目的の観点から処罰を正当化できない。
択一的競合事例の場合、結果回避可能性が肯定されず、結果との間の条件関係は否定される。そして、条件関係存在の可能性を理由として未遂が成立すると考える。
(この点、行為がなくても原因が発生したのであるから、行為と結果の間に因果性はなく、条件関係が切れるとする考えもある。しかし)現に結果が生じている以上、AB双方の行為に帰責させなければ不合理である。そこで、「あれなければこれなし」という条件関係公式を修正する必要がある。
すなわち、複数の条件のうちいずれかを除去しても結果が発生するが、すべての条件を除けば結果が発生しない場合、すべての条件につき条件関係を認めるべきである。
(あてはめ:よってAB両者に条件関係ありとする)
たしかに山口先生は論理的だが、結論は条件関係修正説のほうが妥当に思える。
既遂の故意をもって既遂の結果を惹起した。
たまたま(現実にはあいえないが)同時に同じ行為に出た者があり、どちらの行為が結果の原因になったか判断できない……
両者が既遂処罰されてもさして不当とは思われない。
また、結果発生の危険の惹起を原因として(着手は間違いなくある)「未遂として処罰」されたとしても「刑は減軽することが出来る」だけなので、結論的には妥当な量刑がなされるであろう。
条件関係の意義がどの程度重要視されるかが判断の分かれ目だろうか。
ま、どっちでもいいや。
過去問へリンクする。過去問を検討する際に、論証のファイルを直して、リンクを貼る。
山口『刑法総論』p46-
山口『問題探求刑法総論』p7- 結果回避可能性としての条件関係
前田『刑法総論講義』p174 条件関係の修正
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