【法人の政治的表現の自由】
【法人の政治的表現の自由】

 では、法人に政治的表現、政治活動の自由は保障されるか。
 特定種の業界や法人に不利益な政策や立法がなされそうな場合など、反対の政治的意見を表明することは、法人の目的達成に有益であることからも、政治的表現の自由は認められるべきである。
 だが無制限に認めるならば、その社会的影響力や経済力の大きさから、他の自然人や法人内部の構成員の自由を損なう恐れもあるので、一定の制約が必要である。

 (また、その政治的表現や政治活動が、法人の目的の範囲外であれば、その自由は保障されない。
 例えば政治団体への献金は、営利企業の場合には、目的達成に役立つ行為を広く目的の範囲内と認めることで、政治行動の自由として保障されうる。
 しかし、その法人が強制加入団体である場合などには、構成員の権利を害する危険が大きい。献金自体が目的の範囲内の行為と言えないならば、権利として保障するべきではない。)