【二重の基準】
【二重の基準】

 (短いバージョン)
 経済的自由権においては、経済政策についての立法府(行政)の裁量を尊重する必要があることから、その制約の合憲性は精神的自由権に比べ比較的ゆるやかに認めることが許される。


 (長いバージョン)
 (例えば職業の自由)は経済的自由権であるが、その制約の合憲性はどのように判断すべきか。
 精神的自由権が不当に制約されると、民主政の過程そのものを傷つけるため、その回復のためには裁判所が積極的に介入し、厳格に審査する必要があるが、経済的自由の場合は、民主政の過程が正常に機能しているかぎり、それによって回復・是正が可能であり、かつ立法府の裁量を尊重する必要性も高いことから、比較的ゆるやかに制約の合憲性を判断することが許される。