【在監者の表現の自由】
【在監者の表現の自由】

 一般に、表現の自由は、人格形成に資するという自己形成の価値と、民主政の健全な発展に資するという自己統治の価値を合わせ持つ重要な権利であり、憲法上最大限の保障を必要とする。
 もっとも受刑者に、一般人と同等の表現の自由を認めるならば、その在監目的の達成を阻害する恐れがあることから、一定の制約に服さざるを得ないと考える。
 表現の自由と在監目的達成という両法益のバランスを考慮し、その制約は、目的達成に必要な範囲で、最少限度のものであり、より制限的でない他の手段が存在しないばあいに限って認められると考える(LRAの基準)。