【逮捕の効力範囲】事件単位の原則、A罪で逮捕してB罪で勾留できるか?
【逮捕の効力範囲】事件単位の原則、A罪で逮捕してB罪で勾留できるか? (超典型論点)

 勾留が許されるには、逮捕が先行してしなければならない(逮捕前置主義、204条以下)。
 では、その逮捕は、当該被疑者の逮捕であればよいか、それとも当該事実に関する逮捕でなければならないか。
 思うに、逮捕前置主義の趣旨は、逮捕に際して司法的抑制をなし、また勾留の際にも再び司法的抑制をして二重にチェックすることで人権保障を図る点にある。また、法は被疑事実ごとに被疑者の防御権を保障しようとしている(200条1項、203条1項)。
 従って、逮捕の効力は、その理由となった事件にのみ及ぶのであり、勾留に先行する逮捕は、当該事実に関する逮捕でなければならない。(事件単位説)

 よって、A罪で逮捕してB罪で勾留することは認められない。