法学座敷牢 別名 ろうやぁ

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3-1-02 瑕疵物の提供で「特定」するか

論証

 種類物債権において、債務者が瑕疵物を提供した場合には、それによって「特定」があったというべきか。
 「特定」があれば、債務者は責任を軽減されることから考えて、瑕疵物の提供では、そのような効果に見合う責任を果たしたとは言えない。
 よって、瑕疵物の提供では、いまだ「特定」は生じないと考える。

検討

かつての判例:
特定は「受領」の時点で発生し、その後は瑕疵担保の問題となる、としていた。

→その後:
不特定物の給付がなされた場合、債権者が瑕疵物提供を履行と認めて瑕疵担保責任を問うなどの事情がある場合はともかく、そうでない場合は債務不履行責任を問える=代物給付請求もできる、という考え方を採用した。

この判決が(1)「特定時期」を遅らせたのか、(2)「特定の有無」と瑕疵担保責任の発生を切り離したのか、理解が分かれる。

この論証を使用する過去問

過去問へリンクする。過去問を検討する際に、論証のファイルを直して、リンクを貼る。

参考文献

内田『民法III』p21


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