法学座敷牢 別名 ろうやぁ

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3-1-04 制限超過利息が支払われたときの扱い

論証

(前提)利息の上限は法定されており(利息制限法1条1項)、それを越える利息は無効である。
しかし、超過部分が任意に支払われた場合には返還請求できないとされている(同条2項)。それをどう考えるべきか。
(解釈:判例から) 思うに、制限利率を越える利息が元本消滅後に支払われた場合、債務が消滅すれば利息は生ぜず、従って利息制限法1条2項の適用もない。
従って、元本消滅後に支払われた部分については不当利得として返還請求できると考えられる。

関連条文

利息制限法


(利息の最高限)
第一条  金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、その利息が左の利率により計算した金額をこえるときは、その超過部分につき無効とする。
元本が十万円未満の場合          年二割
元本が十万円以上百万円未満の場合     年一割八分
元本が百万円以上の場合          年一割五分
2  債務者は、前項の超過部分を任意に支払つたときは、同項の規定にかかわらず、その返還を請求することができない。

(利息の天引)
第二条  利息を天引した場合において、天引額が債務者の受領額を元本として前条第一項に規定する利率により計算した金額をこえるときは、その超過部分は、元本の支払に充てたものとみなす。

(みなし利息)
第三条  前二条の規定の適用については、金銭を目的とする消費貸借に関し債権者の受ける元本以外の金銭は、礼金、割引金、手数料、調査料その他何らの名義をもつてするを問わず、利息とみなす。但し、契約の締結及び債務の弁済の費用は、この限りでない。

(賠償額予定の制限)
第四条  金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が第一条第一項に規定する率の一・四六倍を超えるときは、その超過部分につき無効とする。
2  第一条第二項の規定は、債務者が前項の超過部分を任意に支払つた場合に準用する。
3  前二項の規定の適用については、違約金は、賠償額の予定とみなす。

検討

利息制限法の制度趣旨が、高利貸しからの借主を保護する、という弱者保護にあることから、1条2項は制限的に適用すべき。
この判例法により、1条2項は事実上骨抜きにされている。

この論証を使用する過去問

過去問へリンクする。過去問を検討する際に、論証のファイルを直して、リンクを貼る。

参考文献

内田『民法III』p58


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