法学座敷牢 別名 ろうやぁ

TOPへ戻る
論証indexへ

3-2-03 損害賠償の範囲の問題

論証

 債務不履行と事実的因果関係を有する損害は、時に無限に連鎖増大しうるので、どこまでを損害賠償の範囲とするかを限定する必要がある。
 416条は、「通常生ずべき損害」については当然に賠償責任を認めつつ(1項)、「特別の事情によりて生じたる損害」については事情の予見可能性の有無をもって賠償責任の有無を決している(2項)。
 つまり、債務者にとって予見可能性のない特別事情による損害については賠償責任を負わない。
 通常損害と特別損害を区別する意味は、予見可能性を立証する必要性の有無にある。また、この予見可能性の存在は債権者が立証する必要がある。
 しかし、通常損害と特別損害の区別は実際には容易ではなく、契約類型ごとに個別具体的に判断する必要がある。

関連条文

416条
第四百十六条  損害賠償ノ請求ハ債務ノ不履行ニ因リテ通常生スヘキ損害ノ賠償ヲ為サシムルヲ以テ其目的トス
○2 特別ノ事情ニ因リテ生シタル損害ト雖モ当事者カ其事情ヲ予見シ又ハ予見スルコトヲ得ヘカリシトキハ債権者ハ其賠償ヲ請求スルコトヲ得

検討

通説は「相当因果関係」をもって説明するが、裁判例などでもほぼ無意味な空虚な概念となっている。

この論証を使用する過去問

過去問へリンクする。過去問を検討する際に、論証のファイルを直して、リンクを貼る。

参考文献

内田『民法III』p147-164


■重要注意:このサイトの内容を鵜呑みにしたせいで、あなたがいかなる損害を蒙ろうとも、当方は一切責任を負いません。論証などは、当然間違っているものとお考え下さい。

管理人:ヨーゼフK
BBS:法学座敷牢掲示板