法学座敷牢 別名 ろうやぁ
3-2-07 債権者代位権の要件・効果
(問題)《代位権者は直接給付を受けられるか》
本来、代位権者は債務者の第三債務者に対する債権を代位行使するのであり、弁済の効果は債務者に帰属するとも思える。
しかし、代位者への直接給付を認めないとすると、債務者が給付を受領しない限り代位者は自らの債権の保全が出来ないことになる。よって、債権者代位権制度の実効性を確保するためには、代位者への直接給付請求を認めるべきである。
(「債務者が受領しないときは例外的に」という限定をつけるのが、近江)
また、直接給付を受けた債権者は債務者への給付返還義務を負うが、自己の債権と相殺することによって、事実上の優先弁済を受けうると考える。(これにより債権者代位権は債権回収手段となる)
(なお、登記請求権を代位行使した場合には、判決によって債務者名義の登記が可能であり、受領されないことが考えられないため、債務者自身への登記名義移転請求は出来ない)
近江は、一般的に代位債権者への直接的引渡請求を認める判例・通説を批判している。
「弁済の効果は本来の債権者に帰属する」
直接引渡請求を認める判例の趣旨は、それを認めないと、債務者が弁済を受領しない限り債権者は満足を得られないことになり、代位権の実効性を確保できないから。「前示法条の精神を没却するに至るべければなり」。
過去問へリンクする。過去問を検討する際に、論証のファイルを直して、リンクを貼る。
内田『民法III』p247-
近江『債権法総論』p131-
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