【取消しと無効の主張権者】
【取消しと無効の主張権者】

 詐欺又は強迫による取消しを主張できるのは、本人か、本人と同視できる者に限られる。(120条2項)
 これに対し、無効は……

 無効とは、法律効果の不発生であり、絶対効、対世効を持つ。従って、誰からでも無効主張できる。
 しかし、錯誤による無効の場合は、表意者本人を保護するための制度であるから、相手側や第三者からの無効主張を認めるならば、逆に表意者保護の役割を果たせなくなる。そこで、錯誤による表意者保護のための無効は、主張を表意者本人にのみ認めるべきである。

(2006/05/22)