【損害賠償の範囲】416条T、U 
【損害賠償の範囲】416条T、U

 債務不履行による損害賠償の範囲には、通常損害の全部と、特別損害のうちの当事者が予見し、または予見可能であった部分が含まれる。
 信頼利益(契約が信頼すると信じたために被った存在)は通常損害に含まれる。
 履行利益のうち、契約時に予定が明らかだった転売利益などの逸失利益は、通常損害に含まれる。
 価格の高騰などの「特別の事情」(416条2項)による逸失利益は、予見可能性があれば、特別損害に含まれる。

 なお、予見とは、事情についての予見であり、損害の予見は不要である。また、予見が可能であったかどうかは、債務者について判断し、その予見可能性の立証責任は、特別損害を請求することで利益を得る債権者側にある。

(2006/05/27)