【宗教上の判断が必要な訴えの訴えの利益】
(1) 本案判決をするためには「法律上の争訟」(裁判所法3-1)であること、すなわち@具体的な権利義務・法律関係に関する紛争であり、A法令の適用によって終局的に解決が可能であること、が要求される。
(2) 住職たる地位の確認訴訟などは、宗教上の地位の存否の確認であって@にあたらない。
(3) 住職の地位を前提とした宗教法人の役員の地位の確認や、錯誤による寄付金の不当利得返還請求などは、訴訟物自体は法律上の地位、具体的権利にかかわるものであるが、その判断の前提として教義の解釈などが要求される場合はAの要件を欠く。
    よって、上記のような場合は「法律上の争訟」にあたらず、訴訟要件を欠くことになる。
     伊藤142 デp80