【法定以外の任意的訴訟担当の可否】
【法定以外の任意的訴訟担当の可否】

 法定以外の任意的訴訟担当は認められるか。
 まず、多数の当事者の中から一人を選んで訴訟追行させることは、被担当者及び相手方当事者にとって便宜であり、また訴訟の審理・進行が簡明となって裁判所にとっても望ましいことから、任意的訴訟担当を広く認めるべき理由がある。
 しかし、無制限に認めてしまうと、弁護士代理の原則(54条)、訴訟信託の禁止(信託法11条)によって、弁護士資格のない三百代言による依頼者利益の侵害や、審理の混乱を防止し、司法への信頼を守ろうとした趣旨が没却されるおそれがある。
 よって、かかる弊害のおそれがなく、かつ、任意的訴訟担当を認める合理的な必要があるという要件を満たす限りにおいて、これを認めることが出来ると考える。

=参照条文=

(訴訟代理人の資格)
第五十四条  法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができない。ただし、簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができる。

(信託法)
(訴訟信託の禁止)
第十一条 信託ハ訴訟行為ヲ為サシムルコトヲ主タル目的トシテ之ヲ為スコトヲ得ス