【弁論主義】
【定義】 弁論主義とは、訴訟資料の収集を、当事者の権能であり責任であるとする建前を言う。
【意義】 民事訴訟の目的は、私人間の権利義務に関する紛争の解決である。そこで、訴訟追行上も私的自治の原則を尊重して、事実や証拠(訴訟資料)の収集や提出も、当事者の権能であるとして、その責任の元に置くことが望ましい。よって原則として弁論主義が適用される。
→vs職権探知主義:証拠収集を裁判所の権限とする建前
【第1テーゼ】 裁判所は、(主要事実については)当事者の主張しない事実を判決の基礎とすることができない。 (主張事実による拘束)
→(派生)主張責任:当事者は自己に有利な事実を主張しなければ、その事実はないものとして扱われる。(不利益を被る)
→(派生)主張共通の原則:主張された事実は、有利不利にかかわらず採用できる。
【第2テーゼ】 裁判所は、当事者間に争いのない(主要)事実については、そのまま判決の基礎としなければならない。これを自白の裁判所拘束力という。 (自白による拘束力)
【第3テーゼ】 裁判所は、争いのある事実を認定する際、当事者の申し立てた資料のみによって認定しなければならず、職権によって調査した資料によることはできない。 (職権証拠調べの禁止)
→(派生)証拠共通の原則:当事者により主張された証拠は、有利不利にかかわらず採用できる。