【定款の目的による権利能力の制限】
 民法43条は法人の権利能力が定款の範囲内に制限されると定める。しかし会社法は同条を準用していないので、会社の権利能力は定款の目的により制限されるかどうか問題となる。
 この点、会社は定款記載の目的のために成立した社団であるから、原則として民法43条が準用されると考える。
 しかし、その目的外の行為はすべて会社が無効主張できるとすれば、第三者の取引安全を害する。
 そこで、定款の記載を観察し、客観的抽象的に目的にとって必要でありうる行為であれば、目的の範囲内として、第三者の保護を図るべきである。
 (またその行為には目的のために間接的に必要な行為も含まれると考える)
    百選1 前田〔36〕
 ☆実質的には民法43条を排除すると同様の解釈(諸外国の立法も排除の方向)