【預合・見せ金】
 預け合い……@発起人が払込取扱銀行から借入れし、A設立中の会社の預金に振替えて払込とし、Bその借入金の弁済が終わるまで預金を引き出さないことを約する行為。
 仮装払込であり、資本充実原則に反する。
 ・これに応じた金融機関は払込がなかったことを会社に対抗できない。64-2 刑事罰965

 【見せ金による払込の効力】
 @発起人が払込取扱銀行以外から借入れし、Aこれを払込として会社を設立し、Bその設立後に会社の預金を引き出して弁済にあてる行為
 この見せ金については現行法に規定がないが、その効力をどう解するか。
 これら一連の行為を全体としてみれば、払込を仮装するものであって会社財産を確保する意図はないと言える。よって有効な払込はなく、発起人と設立時取締役には任務懈怠責任が生じ、設立無効事由に該当すると考える。
  前田〔73〕

 【有効な払込か否かの判断基準】
 @会社設立後、借入金返済までの期間の長短
 A払込金が会社資金として運用された事実の有無
 B借入金返済が会社の資本関係に与える影響
  ……を総合判断する(判例)