【株式の時価算定目的での会計帳簿閲覧・謄写請求の可否】433-1,-2
総株主の議決権(または発行済株式数)の百分の三以上を有する株主は、会計帳簿の閲覧・謄写請求ができる。433-1

 ☆しかし、当該請求の目的が「その権利の確保又は行使に関する調査以外」である場合、会社は請求を拒みうる433-2.1
 そこで、株式の時価算定という目的が拒絶事由にあたるかが問題となる。
 この点まず、株主として正当に行使しうる権利であれば共益権、自益権ともに保護されると考える。そして、譲渡制限株式の譲渡承認請求や、会社に対する買取り請求は、株主の正当な権利である。とすれば、そのために株式の時価を知ることは譲渡などの手続にとって必要なことであって、株主の正当な権利といえる。
 よって433-2.1の請求拒絶事由にはあたらないので、会社は本問請求を拒絶することは出来ない。
   前田〔630,631〕