【権利株の譲渡】
 発起人または、募集株式の引受人が、出資をして設立時株式の株主となる権利(権利株、50-1,63-1)
 権利株の譲渡は会社に対して対抗できない(35,50-2,63-2)
 (株券発行会社における株券発行前の株式譲渡について128-2)
 かかる制限の根拠は、株主名簿の作成または株券発行についての会社の事務処理上の便宜である。よって、会社に対して対抗し得ないとすれば足り、これを絶対無効とすべきではない。そうすると財産処分の自由、取引安全を害するからである。
   前田〔182〕

   【株式発行遅滞中の譲渡】
 (続けて)上記の制限の趣旨からは、株式発行に必要な合理的期間経過後は、発行を怠っている会社の便宜よりも株主の財産処分の自由を優先すべきである。
 よってかかる期間経過後は、信義則から、譲渡は会社に対しても有効になしうると考える。  (合理的期間説=緩和説、判例)
 なお215-1参照(遅滞なき株券発行義務)