【決議取消判決・対世効・遡及効】
 株主総会決議取消判決も、設立無効同様、画一的確定の要請があり、第三者に対しても効力を有する(838条)
 遡及効については、これを制限する規定がない(839条は834条17号を除外している)。である以上、総会決議取消判決には原則として遡及効が認められる。
 しかし、取締役選任決議のように、その決議を前提に多数の社団的行為が積み重なる決議の取消判決については遡及効を否定するべきである。仮に、選任決議の時に遡って取締役でなかったことになると、その取締役がかかわった取締役会、株主総会、第三者との取引などすべてが瑕疵を帯びることになり、あまりに法的安定性を害するからである。
(他方、取消判決に将来効のみ認めても無意味になるわけではない)(vs剰余金配当決議などは将来効だけ認めても意味がない。)
   前田〔457〕