【招集手続の瑕疵につき他の株主も訴え提起できるか】
 株主は、他の株主への招集手続に瑕疵がある場合にも決議取消の訴えを提起できるか。
 aこの点、831条が提訴権者として「株主等」とし何ら制限していない。また、かかる訴えの制度は、その瑕疵のために公正な決議が妨げられた可能性への抗議を認める制度である。とすれば、原則としてかかる訴え提起は可能であると考える。
 bもっとも通常、通知を受けなかった株主本人が取消の訴え提起をしないのは決議に満足しているからであると言え、とすればあえて他の株主に訴え提起を認める必要はないとも言える。
 cこの場合に、総会に出席し議決権を行使して敗れた株主が、かかる訴え提起によって決議の効力を争うとすれば、訴えの濫用として許されないと考える。(831-2による裁量棄却がありうる)
   b前田〔449〕 cデバイズp125