【取締役会決議の瑕疵】
 株主総会決議と違い、取締役会決議の瑕疵については会社法に規定がないため、瑕疵ある決議の効力が問題となる。
 この点、その招集手続、決議方法や内容が法令又は定款に違反する限り当然に無効となると考える。
 (ただし判例は、決議の結果に影響がなければ、その効力にも影響がないと言う)
 ☆無効主張の利益があれば誰でも、方法を問わず主張しうる。
 ☆決議無効確認の訴えも認められると解する。対世効あり(830、838類推により)
 ☆瑕疵ある決議に基づく代表取締役の行為の効力:決議を欠く場合と同じ。349-5の適用がある:相手方が悪意でない限り、会社は取締役の行為の無効を対抗できない。(=原則としては無効ということ)
 (判例の民法93条(心裡留保)類推適用説だと、相手方が過失ある場合にも保護されないことになり、そこが異なる)
   前田〔524〕〔530〕

 ☆募集株式・社債の発行に関しては多数の利害関係人が発生するため法的安定性を重視する必要がある。よって、重大な法令・定款違反がなければ無効とはならない。