法学座敷牢 別名 ろおやぁ

いんでっくす あばうと りんく ぶろぐ けいじばん

知識整理ノート:民法 担保物権

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目次

  1. 序論──担保物権法序説担保物権一覧表
  2. 法定担保物権
    1. 留置権
      1. 序説留置権の法的性質
      2. 成立要件
      3. 留置権の効力
      4. 留置権の消滅
    2. 先取特権
      1. 序説
      2. 先取特権の種類 不動産先取特権
      3. 先取特権の効力
  3. 約定担保物権
    1. 約定担保論
    2. 質権
      1. 質権法総則
      2. 動産質
      3. 不動産質
    3. 抵当権
      1. 序説
      2. 抵当権の設定
      3. 抵当権の効力(1)──効力の及ぶ範囲 物上代位 保険金請求権
      4. 抵当権の効力(2)──優先弁済権の実現
      5. 抵当権の効力(3)──義務違反・抵当権侵害
        1. 序説
        2. 担保関係に基づく義務違反
        3. 第三者の侵害に対する物権的請求権 不法占拠者に対する妨害排除(明渡)請求
      6. 抵当権と用益権
        1. 短期賃貸借の保護
        2. 法定地上権
      7. 第三取得者の地位
      8. 抵当権の処分
      9. 共同抵当
      10. 根抵当
      11. 抵当権の消滅
      12. 特別法上の抵当制度
  4. 変則担保
    1. 変則担保論
    2. 仮登記担保
    3. 買戻・再売買予約
      1. 買戻
      2. 再売買予約
    4. 譲渡担保
      1. 不動産の譲渡担保
      2. 動産の譲渡担保
      3. 集合動産の譲渡担保
    5. 所有権留保
  5. 債権担保
    1. 債権質(〔附〕権利質一般)
      1. 債権質の設定
      2. 債権質の効力
      3. 指名債権以外の権利質
    2. 債権の譲渡担保
      1. 債権譲渡担保の一般理論
      2. 集合債権の譲渡担保
    3. 代理受領・振込指定
      1. 代理受領
      2. 振込指定

序論──担保物件法序説

担保物権一覧表

留置権 留置的効力 優先弁済効力 物上代位性 附従性・随伴性・不可分性・追求効(通有性)
先取特権 留置的効力 優先弁済効力 物上代位性 附従性・随伴性・不可分性・追求効(通有性)
動産先取特権は追求効なし
質権 留置的効力 優先弁済効力 物上代位性 附従性・随伴性・不可分性・追求効(通有性)
抵当権 留置的効力 優先弁済効力 物上代位性 附従性・随伴性・不可分性・追求効(通有性)

【法的性質の法則性】
法則1:留置的効力か、優先弁済効力のどちらかは必ずある。
法則2:占有が成立条件になる担保物件は、留置的効力がある。
法則3:優先弁済効力と物上代位性はペアになっている。

法定担保物権

留置権

債権の弁済を受けるまで、その物を留置できる権利295。
債務者が物の返還請求をするには、先に債務を弁済する必要があり、債権が確実に保全される。

序説

留置権の法的性質

  1. 【物権性】
    1. 【対抗力】物権であり、誰にでも主張できる。
    2. 【追求効】占有の喪失は留置権自体を消滅させる302。物権的請求権なし。占有を侵害された場合→占有訴権(占有回収の訴え200)を行使するのみ。
    3. 【不動産上の留置権】不動産上にも成立し、この場合は登記を対抗要件としない。
  2. 【担保物件性】
    1. 【附従性】あり。物と牽連性ある295債権の発生により成立。【随伴性】もある。被担保債権が譲渡される場合、目的物の占有を移転すれば留置権も移転
    2. 【不可分性】あり。全額弁済あるまで、目的物全部を留置できる。
    3. 【物上代位性】なし。留置(占有)が効力の本体。
    4. 【優先弁済効】なし。担保物権の中で例外的

成立要件

留置権の効力

  1. 【留置的効力】留置=物の引渡請求を拒絶し占有を続ける権利
     《債務者が全額弁済せずに返還請求した場合》引き換え給付判決が下される。優先弁済権がないため、抗弁権的性格の留置にとどまる(抗弁権的効力しかない)。
  2. 【果実収取権】あり。他の債権者に先立って、債権の弁済に充当できる297.1。
  3. 【費用償還請求権】
  4. 【競売権】
  5. 【留置権者の義務】

留置権の消滅

先取特権

序説

 法律に定める特殊の債権を有する者が、債務者の一定の財産より優先弁済を受ける法定担保物権。(法によって当然に生じる「特権」)

法的性質(先取特権の)

  1. 物権性
    1. 本体は優先弁済権。物権であり、強力な対第三者効を持つ。
    2. 追求効なし
    3. 留置的効力なし:占有を本質的要素としないから
  2. 担保物件性
    1. 附従性あり
    2. 不可分性あり:全額の弁済まで消滅しない305(準用)→296(留置権の不可分性)。
    3. 物上代位性あり304。ただし、一般の先取特権においては債務者の総財産が目的物となるため問題にならない。効力が認められるのは、動産と不動産の先取特権について。

先取特権の種類

不動産先取特権

 以下の三種類の原因より生じた債権を有する者は、債務者の特定の不動産の上に先取特権を有する325。
1、不動産の保存325:1、326、保存行為後ただちに登記を要す337。
2、不動産の工事325:2、327。工事によって生じた不動産の増価が現存する場合に限り増価額にのみ認められる327.2。工事前に費用の予算額の登記を要す338。
3、不動産の売買325:3、328。代価及び利息。契約と同時に登記を要す340。

登記の必要性(不動産先取特権の)

登記によって「効力を保存する」337、338.1前段、340。登記しないと第三者に対抗できない。

先取特権の効力

約定担保物権

約定担保論

質権

質権法総則

質権制度の意義

「占有移転」と「優先弁済効」が質権の本質。342。
「占有移転」により、効力発生。
占有の二つの作用:公示作用質権の存在を示す。留置的作用間接的に弁済を強制する。

質権の設定

質権の効力

  1. 【被担保債権の範囲】
  2. 【物上代位】あり。350→304
  3. 【留置的効力】あり。347本文。
     《債務者が全額弁済せずに返還請求した場合》原告敗訴の判決が下される。これに対し、留置権では、優先弁済権がない(抗弁権的効力しかない)ため、引き換え給付判決が下される。
  4. 【流質契約の禁止──優先弁済的効力の特則】

転質

動産質

動産質の設定

質物の「占有の回復」手段

第三者に占有を奪われた場合、占有回収の訴え200によってのみ。「質権に基づく返還請求」不可353

動産質権の効力

動産質権者の義務

動産質権の消滅

不動産質

抵当権

序説

抵当権の設定

抵当権設定契約

抵当権の目的物

被担保債権(近江Vp120)

被担保債権の種類

 種類の制限はない。非金銭債権も債務不履行により損害賠償債権に転化するから抵当権設定が可能。但し、登記に際し、その債権を金銭に算定して価格を記載する。
(参考)不動産登記法
第百十七条  抵当権ノ設定ノ登記ヲ申請スル場合ニ於テハ申請書ニ債権額ヲ記載シ
……以下略。
第百二十条  一定ノ金額ヲ目的トセサル債権ノ担保タル先取特権、質権又ハ抵当権ノ保存又ハ設定ノ登記ヲ申請スル場合ニ於テハ申請書ニ其債権ノ価格ヲ記載スルコトヲ要ス

付従性

■成立に関する付従性=債権がなければ抵当権は成立しない。(原則)
 □将来の債権:将来発生する債権のために抵当権設定出来るか?→一定の範囲で付従性が緩和される。
  ★ex.保証人の求償権を担保する抵当権

抵当権の効力(1)──効力の及ぶ範囲

効力の及ぶ目的物の範囲

附加物が分離された場合

物上代位372→304

304の「債務者」の範囲

・「債務者」は「目的物の所有者」と考えるべき。近江Vp141
・「債務者」には抵当不動産の賃借人は含まないとし、転貸料債権への物上代位を否定最判h12.4.14

保険金請求権

 民法の通説保険金請求権には抵当権の効力が及ぶ。判例
 保険法学者の批判保険金請求権は保険料支払いの対価であり、目的物の代物、変形物ではない、と批判。

非担保債権の範囲

利息

 ■利息につき、抵当権を行える範囲は「満期となった最後の二年分」(旧374.1新375.1)のみ。
 しかし、この趣旨は、後順位抵当権者との利害調整→後順位抵当権者のいない当事者間(債務者=設定者、物上保証人……)では制限を受けない。近江Vp146

抵当権の効力(2)──優先弁済権の実現

抵当権の効力(3)──義務違反・抵当権侵害

序説

担保関係に基づく義務違反

第三者の侵害に対する物権的請求権

不法占拠者に対する妨害排除(明渡)請求

  1. 明渡請求否定説(旧判例)抵当権者は抵当不動産の占有関係に干渉しうる余地はない。不法占拠だけでは抵当権侵害とはいえない。
  2. 明渡請求肯定説(現判例)不法占拠による抵当権侵害を認め、所有者の妨害排除請求権の代位行使(423債権者代位権の法意に従い)を認め、かつ傍論で抵当権に基づく妨害排除請求権も認めた。

抵当権と用益権

短期賃貸借の保護

法定地上権

第三取得者の地位

抵当権の処分

共同抵当

根抵当

抵当権の消滅

特別法上の抵当制度

変則担保

変則担保論

仮登記担保

買戻・再売買予約

買戻

再売買予約

譲渡担保

不動産の譲渡担保

動産の譲渡担保

集合動産の譲渡担保

所有権留保

債権担保

債権質(〔附〕権利質一般)

債権質の設定

債権質の効力

指名債権以外の権利質

債権の譲渡担保

債権譲渡担保の一般理論

集合債権の譲渡担保

代理受領・振込指定

代理受領

振込指定

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